2012年4月12日木曜日

長門・亀山城(山口県長門市東深川)

長門・亀山城(ながと・かめやまじょう)

●所在地 山口県長門市東深川・正明市
●築城期 室町期
●築城者 鷲頭弘忠
●形態 丘城
●高さ 標高(比高)24m
●遺構 古井戸・堀切・砦跡
●登城日 2012年1月15日

◆解説(参考文献『日本城郭体系第14巻』等)
今稿は久しぶりに長門国の山城を取り上げる。
【写真左】長門・亀山城遠望
 南麓から見たもので、ご覧の通り小丘といった規模である。
 左手前の建物は長門市役所。





長門・亀山城は、現在の長門市市街地のほぼ中央部にある丘城で、麓には長門市役所がある。
ところで、中世の長門や周防といえば必ず大内氏が登場するが、本稿の長門・亀山城の築城者は鷲頭弘忠(わしず又は、わしのうず ひろただ)弘忠といわれている。

【写真左】市役所周辺マップ
 左が北を示す。
 亀山城から北へ約1キロほど向かうと、深川湾(日本海)に至る。
 当時は孤島であったことが分かる。



鷲頭氏

  大内氏の出自については諸説あり、断定できるものはないが、平安時代末期に至って、当地の在庁官人であった多々良盛房が周防の最高実力者となり、周防権介から大内介となってから大内氏を名乗ったといわれている。

鷲頭氏は、大内氏第16代・盛房の三男・三郎盛保が周防国鷲頭荘(現在の下松市付近)に入部し、鷲頭氏の始祖となった。なお、第16代盛房のとき、弟・盛長は、右田氏の始祖となっている。
【写真左】登城口付近
 当城には城砦をしめす表示物などは全くない。また、小丘の割に全周囲が切り立った切崖状の傾斜地が多く、唯一踏み込める場所は、東端部の墓地側にある。


 もちろん道らしきものはないため、勾配の緩やかな箇所を探しながら登っていくことになる。


さて、亀山城の築城者とされる鷲頭弘忠は、室町時代後期の武将で、永享4年(1432)、第27代持世のとき長門の守護代に補任され、亀山城よりさらに深く入った長門市殿台に本拠城である「深川城」を築いた。

しかし、但馬「鶴城」(2012年3月5日投稿)でも触れたように、嘉吉元年(1441)4月、赤松満祐が室町幕府将軍・足利義教を謀殺(嘉吉の変)した際、同席していた大内持世も深手を負い、これがもとで3か月後の7月28日に無念の死を遂げることになる。
【写真左】堀切・その1
 小規模な城砦のため、すぐに城域にたどり着くが、当城でもっとも明確に残る堀切の遺構である。

大内一族の継承についても、このころ有力な守護大名と同じく順風満帆ではなかった。一族の繁栄と拡大は、皮肉にも惣領家と庶家との確執を生んだ。

特に同氏第25代義弘に至って、一旦義弘の弟、すなわち叔父の盛見が26代として引き継ぎ、改めて嫡男持世が継承している。

その持世が亡くなり、28代は盛見の二男・教弘が継ぐことになった。以後、大内氏は第31代義隆に至るまで、この盛見の直系として相続が続くことになる。

さて、鷲頭弘忠は、当然ながら跡を継いだ教弘を主君としなければならないが、教弘とは相当前から不仲であったといわれている。果たせるかな、文安3年(1446)4月15日、教弘は鷲頭弘忠の守護代解任を命じた。
【写真左】堀切・その2
 小規模な城砦の割にこの堀切は大規模といえる。
 東方に設置されたもので、南北を縦断している。この写真では左側が本丸側で、右が墓地側となる。



鷲頭氏一族の討死

弘忠はこの後、教弘が攻撃をしてくることを察知し、本拠城・深川城(下の写真参照)の前進基地としてこの亀山城を築いたとされる。

2年後の文安5年(1448)2月、教弘は弘忠罷免後、新しく補任させた守護代・内藤有貞に命じ、串崎水軍を動かし、亀山城近辺から弘忠が逐電するのを阻止させた。

亀山城は東西250m、南北150mという極めて小さな小山(孤島)である。おそらく串崎水軍による占拠は短期のうちに遂行されたのだろう。ただ、鷲頭弘忠はこの亀山城で誅殺されたかどうかははっきりしない。
【写真左】郭段
 堀切を抜け西に登っていくと最高所である主郭がみえ、さらに進むと1m程度下がった郭段が控える。


 なお、この郭の南側には50センチ高の土塁状の延長部が残り、北に向かってはさらに深い郭が残る。


おそらく、大半は本拠城である「深川城」に陣を布いていたものと思われ、伝承によれば、鷲尾弘忠一族郎党は悉く深川城で討死したといわれている。
【写真左】切崖と最下段の郭
 ご覧の通り、孟宗竹の繁茂のため、写真では遺構の確認ができない状態である。
【写真左】深川城遠望
 鷲頭氏の居城とされる深川城は、亀山城の南方3キロ余りの深川川の支流・大内川沿いに聳える山に築かれている。
【写真左】鷲頭弘忠の墓
 以前紹介した「大寧寺」(2010年3月22日投稿)に、大内義隆の墓と共にひっそりと安置されている。

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